Classici giapponesi con furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Leggi みなかみ紀行 (みなかみきこう) di 若山 牧水 (わかやまぼくすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.087 caratteri · 203 schermate
怪しみながら窪地の辺を窺いて見ると、一つの大きな洞穴がその雑木の丘の根にあいていて、その洞の中で例の浪が青みつ白みつ立ち狂っているのである。しかもその洞が外洋から如何通じているのか、打ち見たところどの方角からにせよ直径二三丁の距離を穿っているのでなくては浪は導けない地勢にある。私は痛い足を引きずりながら洞の側へ下りて行った。洞は次第に奥が広くなっているらしく、暗いなかに大小の浪が怪しい光を放ちつつ縦横に打ち合っているのであった。宿に着いてその話をすると、向う側は三所から洞になって入り込み中程で落ち合い乍らこちらに抜けている、その中ほどの所には上からも大きな穴があいていてそれを土地の人は「窓」と呼んで居るという事であった。今日はその「窓」をも見たい希望であった。
この浜町という所は――この附近全体がそうではあるが――恰も五本の指をひろげた様に細高い丘が海中に突出して、その合間合間が深い入江となって居るという風の所である。で、一つの入江の浪打際を過ぎて丘を越ゆると思いもかけぬ鼻先に碇泊中の帆柱がゆらりゆらりと揺れていると云った具合だ。宿を出外れた所に御乗浜と呼ばれた大きな入江がある。