Classici giapponesi con furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Leggi みなかみ紀行 (みなかみきこう) di 若山 牧水 (わかやまぼくすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.087 caratteri · 203 schermate
恐らく二度とは訪ねられないであろうその杉叢が、そぞろに私には振返えられた。時計は午後三時をすぎていた、法師までなお三里、よほどこれから急がねばならぬ。
猿ヶ京村でのいま一人の同志H―君の事をM―君から聞いた、土地の郵便局の息子で、今折悪しく仙台の方へ行っている事などを。やがてその郵便局の前に来たので私は一寸立寄ってその父親に言葉をかけた、その人はいないでも、矢張り黙って通られぬ思いがしたのであった。
石や岩のあらわに出ている村なかの路には煙草の葉がおりおり落ちていた。見れば路に沿うた家の壁には悉くこれが掛け乾されているのであった。此頃漸く切り取ったらしく、まだ生々しいものもあった。
吹路という急坂を登り切った頃から日は漸く暮れかけた。風の寒い山腹をひた急ぎに急いでいると、おりおり路ばたの畑で稗や粟を刈っている人を見た。この辺では斯ういうものしか出来ぬのだそうである。従って百姓たちの常食も大概これに限られているという。かすかな夕日を受けて咲いている煙草の花も眼についた。小走りに走って急いだのであったが、終に全く暮れてしまった。山の中の一すじ路を三人引っ添うて這う様にして辿った。