Classici giapponesi con furigana
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たにしのしゅっせ
むかし むかし あるところに
楠山 正雄
Leggi むかし むかし あるところに (たにしのしゅっせ) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 13.919 caratteri · 29 schermate
たにしの出世
一
一
むかしあるところに、田を持って、畑を持って、屋敷を持って、倉を持って、なにひとつ足りないというもののない、たいへんお金持ちのお百姓がありました。それで村いちばんの長者とよばれて、みんなからうらやましがられていました。
この長者とおなじ村に、これはまた持っているものといっては、ふるいすきとくわとかまがいっちょうずつあるばかりという、たいへん貧乏なお百姓の夫婦がありました。長者の田を借りて、お米やひえをつくって、その日その日のかすかなくらしを立てていました。
夫婦はだんだん年をとって、毎日はたらくのが苦しくなりました。それでもじぶんたちの跡をついで、代りにはたらいてくれる子どもがないので、あいかわらず夏も冬もなしに、水田のなかにつかって、ひるやぶよにくわれながら汗水たらしてはたらいて、それでもひまがあると、水に縁のある神様だというので、水神さまのお社に、夫婦しておまいりしては、
「神さま、神さま、どうぞ子どもをひとりおさずけくださいまし。子どもでさえあれば、かえるの子でも、つぶの子でもよろしゅうございます」
といって、一生けんめいいのりました。
するとある日、きゅうにおかみさんは、からだじゅうがむずむずして、赤ちゃんが生みたくなりました。