Classici giapponesi con furigana
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たにしのしゅっせ
むかし むかし あるところに
楠山 正雄
Leggi むかし むかし あるところに (たにしのしゅっせ) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 13.919 caratteri · 29 schermate
二
「おとうさん、おかあさん、では行ってまいります」
たにしの子は、人間の子とちっともちがわない言葉で、そうはっきりこたえて、
「さあ出かけよう。はい、しい、しい」
と、じょうずに声をかけました。馬はひひんといなないて、ぱっか、ぱっか、あるき出しました。
でも心配なので、おとうさんがうしろからそっとついて行きますと、たにしの子は馬の上から、馬方のするとおりかけ声ひとつで、きように馬を進めて行きました。林の曲り角やせまいやぶのなかにかかると、はいどう、はいどう馬を止めて、ゆっくりあるかせます。あぶない橋の上でも溝川のふちでも、ほい、ほい、いいながら、ぶじに通りぬけました。そうして、ひろい田んぼ道に出ると、よくすんだ、うつくしい声で、馬子うたをうたい出すので、馬もいい気持ちそうに、シャン、シャン、鈴を鳴らしながら、げんきよくかけ出して行きました。
田のなかで草をとっていたお百姓たちは、馬方のかげも見えないのに、俵をつけた馬だけが、のこのこ、畑道をあるいて行くうしろ姿を、みんなふしぎそうに見送っていました。
二
だれも人のついていない馬が、ひとりであるいてきて、小作のお米を三俵もはこび込んできたというので、長者屋敷の人たちはびっくりしました。