Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わかむらさき

わか紫

泉 鏡花

Leggi わか紫 (わかむらさき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.708 caratteri · 75 schermate

Aozora Bunko

十八

件の(神妙候)は、濃い墨で、立派に書いてござりますそうなが、(藤原何某、)と名書の下へ、押しました判というのが、これが大変。」

十八

「書き判を、こうの、こうの、こうこう、こう! でもござりませんければ、朱肉を真四角、べたりでもござりません。薄墨でな、ひょろりと掌を一ツ圧しました、これが人間でござりません。

およそ嬰児の今開けました掌ぐらい、その痩せましたこと、からびた木の葉で、塗りつけました形、まるで鳥で。

そうかと思いますとまた、墨の染んだあとが、さもさも獣の毛で、猿そっくり。

見たものの話でござりますが、これを一目の時、震え上って、すぐに地震、と転倒いたしましたそうで、ここで誰も大地震の前触を、虚言とは思いませんようになりました。

処を日増の暖気で、その心持の悪い事と申したら、今日にも、明日にも、今にもと、帯を解いて寝るものはなかったのでござりまする。

すると、今朝ッからのこの寒気。峠の霜は針の山、熱海はたちまち八寒地獄、日金がおろして来ましたので、烈しい陽気の変りよう、今日が危い、とまた誰いうとなく、湯殿の話、辻の風説、会うものごとに申し伝えて、時計の針が一つ一つ生命を削りますようで、皆、下衣の襟を開けるほど、胸が苦しゅうござりましたわ。