Classici giapponesi con furigana
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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
Leggi わか紫 (わかむらさき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.708 caratteri · 75 schermate
」
夫人は黙って聞くうちに、幾たびか目をしばたたいた。
「お鶴さん。」
と声が曇ると、
「…………。」黙ってこれも打悄れる。
「世間に人もないように、皆が、岬の巌になんぞ集って、もしか捕ったらどうします。」
と優しくいったが、何となく人をおさうる威が籠った。
これにはお鶴が事もなげ、
「いいえ、大丈夫、寅の刻までは海獺を極めて、ここに寝ていたって警察なんぞ、と六尺坊主がいったんです。」
「その方は、」
「え。」
「お前のその方は何てったの。」
おのずと居坐が更まって、夫人の声は凜々しかった。
「真鶴へ鮪の寄るのが、番小屋から見えるまでは心配なしだと申しました。」
夫人、
「そう。」
と頷くはしに、懐に手を差入れ。衝と一通の書の、字の裏が透いて見えて、いまだ封じないままなるを取って、手に据え、
「お前のおじいさんも何といいました。どういうことか知らないけれど、一粒種の可愛いお前に、盗賊の婿を娶ったのは、少い時の、罪のむくいだというんじゃないか。
悪い事をすればきっとそれだけの罪をうけねばならんのです。
御覧!
この手紙はね、私の旦那が今しがた、蒸風呂の中で、お書きなんだよ。