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Classici giapponesi con furigana

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キャラコさん

キャラコさん

久生 十蘭

Leggi キャラコさん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.043 caratteri · 56 schermate

Aozora Bunko

質素なことには異存ないが、これでは槇子たちの小間使いぐらいにしか見えまい。無理にこんなところへ連れだしておいて、こんななりをさせて置く沼間夫人も沼間夫人だと腹がたってきた。なにしろ年ごろなのだから、こんな素直な娘でも、心の中ではやはり情けなく感じているだろうと思うと、秋作氏は急にキャラコさんが可哀想になってきた。このふうでは小遣いなんかも持ってないにちがいない。

秋作氏はキャラコさんの本当の気持を知らないものだから、槇子たちの組からはずれて、ここでしょんぼりしているのは、お小遣いがないせいなのだと曲解した。

「おい、お前、お小遣いがないんだね。それで、みなからはずれているんだろう。本当のことをいいなさい」

この質問は、キャラコさんを驚かす。

「あら、お金なら持っていますわ。お父さまからいただいてきましたから……」

秋作氏は、疑わしそうな顔つきで、

「ふうん、いくら?」

キャラコさんが誇らしそうにこたえた。

「三円!」

こんどは秋作氏のほうがあっけにとられる。この贅沢なホテルで半月も暮らそうというのに、たった三円のお小遣い。

秋作氏は、思わず大きな声をだす。