Classici giapponesi con furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Leggi ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.567 caratteri · 212 schermate
やがてそれを追いかけるように低い大きい合唱が始まる。屈折の少ない、しかし濃淡の細やかなそのメロディーは、最初の独唱によってまた身震いを感じないでいられなかった我々の祖先の心を、大きい融け合った響きの海の内に流し込む。苦しいほどの緊張は快い静かな歓喜に返って行き、心臓の鼓動はまたゆるやかに低い調子を取り返す。
けれどもこの穏やかさは、視覚に集中した心が聴覚の方へ中心を移す一つの中間状態に過ぎない。僧侶たちが、仏を礼讃する心持ちにあふれながら読誦するありがたいお経は、再び徐々に、しかし底力強く、彼らの血を湧き立たせないではおかないのである。彼らの心には、絶大微妙な仏力に対する帰依の念が、おいおい高まって来る。そうしてそれは音楽が与える有頂天な心持ちとぴったり相応じている。時々あの高い声の独唱が繰り返されるのも、そのたびごとにいくらか合唱が急調になって行くのも、皆彼らの歓喜をあおるとともに、彼らの信仰を刺激し強めないではいない。音楽の力はただ仏の力として彼らに受け取られるのである。
音楽に陶酔した彼らは、時々うっとりとした眼をあげて、あの神々しい偶像をながめる。