Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
看護人の話では、銭湯に行くと言いながら、いつもよごれたまま帰院するので、怪しいとは思っていたのだそうです。パチンコで儲けるのも、ラクじゃないと見えます。大久保はつけ加えました。
「大声でわめいて近所にも聞かれたから、これからあまり酒を飲みに来ないで呉れと、おフクさんに頼まれたんだ。もう行くなよ」
「来るなと言うなら、行かないよ」
ぼくは上の空で返事をしながら、甚五のことを考えていました。大部屋の片隅にじっと坐り込んで、毎日毎日女房のことを考えている。どこかに男がいるに違いない。その時ふっとぼくの顔が浮び上る。ワラでも掴むようにそれにすがりつき、その妄想を屈折させながら、やがて確信にまで持って行く。その努力とそれに伴う疲労の量は、たいへんなものだろうなあ。おれなんかの画業の比じゃない。――という感慨がありましたが、所詮甚五とてもぼくにとっては、ガラスの向うにいる人間に過ぎません。いくら屈折しようと、それは彼の勝手です。
「亀田クーン」
「亀田クーン」
今声が聞えるでしょう。あれが森平和の声です。この間たまたまそれを知ったのです。夕方ぼくがビールを飲みながら、ぼんやり庭を眺めていると、その声が聞える。