Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
もっとも躁狂的傾向といっても、それは僕と野呂だけで、孫伍風は酒は一滴も飲まないし、陳大人はビールだけですから、どうも躁狂の原因はかの老酒にあったらしい。老酒は老酒でも、ふつうの老酒ではなかったらしい。笑い茸か何かのエキスを混ぜてあったんじゃないか、と僕は今でも考えているのですが、もしそうだとすれば、僕らはうまうまと陳さんのハメ手に引っかかったわけです。すっかり陽気を発した僕ら二人は、下手糞な浪曲をうなってみたり、立ち上って孫伍風の拳法の型の真似をしたり、わいわい騒いでいるうちに、陳さんがポケットからやおら書類のようなものを取出した。不破に関する書類だけれども、一応目を通して、もし賛成ならば署名と拇印を押して呉れと言う。僕らはすっかり浮かれていたものですから、不破に関しては陳さんは最大の被害者だし、言わば被害者の総代みたいなものだから、万事陳さんにお任せすると、ろくに書類も見ず、即座に唯々諾々と署名し拇印を押しました。これひとえにかの特別製老酒のなせるわざです。ほんとに注意すべきことですねえ。陳さんはその書類を満足げに受取り、内ポケットにしまい込むと、掌をぽんぽんと叩きました。