Classici giapponesi con furigana
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かぜのまたさぶろう
ポラーノの広場
Leggi ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 67.062 caratteri · 135 schermate
誰だっていいレコードを作りたいからそれはどうしても急ぐんだよ。けれども僕たちの方のきめでは気象台や測候所の近くへ来たからって俄に急いだりすることは大へん卑怯なことにされてあるんだ。お前たちだってきっとそうだろう、試験の時ばかりむやみに勉強したりするのはいけないことになってるだろう。だから僕たちも急ぎたくたってわざと急がないんだ。そのかわりほんとうに一生けん命かけてる最中に気象台へ通りかかるときはうれしいねえ、風力計をまるでのぼせるくらいにまわしてピーッとかけぬけるだろう、胸もすっとなるんだ。面白かったねえ、一昨年だったけれど六月ころ僕丁度上海に居たんだ。昼の間には海から陸へ移って行き夜には陸から海へ行ってたねえ、大抵朝は十時頃海から陸の方へかけぬけるようになっていたんだがそのときはいつでも、うまい工合に気象台を通るようになるんだ。すると気象台の風力計や風信器や置いてある屋根の上のやぐらにいつでも一人の支那人の理学博士と子供の助手とが立っているんだ。
博士はだまっていたが子供の助手はいつでも何か言っているんだ。そいつは頭をくりくりの芥子坊主にしてね、着物だって袖の広い支那服だろう、沓もはいてるねえ、大へんかあいらしいんだよ、一番はじめの日僕がそこを通ったら斯う言っていた。