Classici giapponesi con furigana
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かぜのまたさぶろう
ポラーノの広場
Leggi ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 67.062 caratteri · 135 schermate
若い木霊
〔冒頭原稿数枚なし〕
「ふん。こいつらがざわざわざわざわ云っていたのは、ほんの昨日のようだったがなあ。大抵雪に潰されてしまったんだな。」
それから若い木霊は、明るい枯草の丘の間を歩いて行きました。
丘の窪みや皺に、一きれ二きれの消え残りの雪が、まっしろにかがやいて居ります。
木霊はそらを見ました。そのすきとおるまっさおの空で、かすかにかすかにふるえているものがありました。
「ふん。日の光がぷるぷるやってやがる。いや、日の光だけでもないぞ。風だ。いや、風だけでもないな。何かこう小さなすきとおる蜂のようなやつかな。ひばりの声のようなもんかな。いや、そうでもないぞ。おかしいな。おれの胸までどきどき云いやがる。ふん。」
若い木霊はずんずん草をわたって行きました。
丘のかげに六本の柏の木が立っていました。風が来ましたのでその去年の枯れ葉はザラザラ鳴りました。
若い木霊はそっちへ行って高く叫びました。
「おおい。まだねてるのかい。もう春だぞ、出て来いよ。おい。ねぼうだなあ、おおい。」
風がやみましたので柏の木はすっかり静まってカサッとも云いませんでした。若い木霊はその幹に一本ずつすきとおる大きな耳をつけて木の中の音を聞きましたがどの樹もしんとして居りました。