Classici giapponesi con furigana
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Leggi 一寸法師 (いっすんぼうし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.475 caratteri · 194 schermate
「さっきもお話した北島春雄という命知らずがいたのだ。丁度その前日彼は牢を出て三千子に不気味な予告の葉書を出している。失恋に目のくらんだ狂人だ。殺されるかも知れない。三千子はその日も、この命知らずのことで頭が一杯になっていた。丁度その時あの変事が起ったものだから、一つは北島の復讐をのがれるために、一つは小松殺しの嫌疑を避けるために、又一つには、山野夫人に、継子殺しの嫌疑をかけるために、どちらから考えても、都合のよい変装という妙案を思いついたのだ。三千子が探偵小説の愛読者だったことを考え合せると、彼女の心持なり遣り口なりがよく分るのだよ。さっきもいった様に三千子の書棚は、内外の探偵小説で殆ど埋まっていたのだからね。死体をピアノに隠したのもゴミ箱のトリックも夫人の部屋へ偽証を作ったのも、皆彼女の智恵なんだ。例のゴミ車をひいた衛生夫は、情夫の蕗屋が化けたのだ」
「それを家内中が知らなかったというのは、おかしいね」
「いや、たった一人知っていた人がある。それは三千子の父親の山野氏だ。丁度事件の起った時分に洋館にいたのだからね。山野氏は家名を重んずる厳格な人だけに、却て三千子の計画に同意した。