Classici giapponesi con furigana
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さんしろう
三四郎
Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate
結婚といえば、あの女も、もう嫁にゆく時期だね。どうだろう、どこかいい口はないだろうか。里見にも頼まれているんだが」
「君もらっちゃどうだ」
「ぼくか。ぼくでよければもらうが、どうもあの女には信用がなくってね」
「なぜ」
「原口さんは洋行する時にはたいへんな気込みで、わざわざ鰹節を買い込んで、これでパリーの下宿に籠城するなんて大いばりだったが、パリーへ着くやいなや、たちまち豹変したそうですねって笑うんだから始末がわるい。おおかた兄からでも聞いたんだろう」
「あの女は自分の行きたい所でなくっちゃ行きっこない。勧めたってだめだ。好きな人があるまで独身で置くがいい」
「まったく西洋流だね。もっともこれからの女はみんなそうなるんだから、それもよかろう」
それから二人の間に長い絵画談があった。三四郎は広田先生の西洋の画工の名をたくさん知っているのに驚いた。帰るとき勝手口で下駄を捜していると、先生が梯子段の下へ来て「おい佐々木ちょっと降りて来い」と言っていた。
戸外は寒い。空は高く晴れて、どこから露が降るかと思うくらいである。手が着物にさわると、さわった所だけがひやりとする。