Classici giapponesi con furigana
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さんしろう
三四郎
Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate
「まるで会わない」
「じゃ、どこのだれだかまったくわからないんですか」
「むろんわからない」
「尋ねてみなかったですか」
「いいや」
「先生はそれで……」と言ったが急につかえた。
「それで?」
「それで結婚をなさらないんですか」
先生は笑いだした。
「それほど浪漫的な人間じゃない。ぼくは君よりもはるかに散文的にできている」
「しかし、もしその女が来たらおもらいになったでしょう」
「そうさね」と一度考えたうえで、「もらったろうね」と言った。三四郎は気の毒なような顔をしている。すると先生がまた話し出した。
「そのために独身を余儀なくされたというと、ぼくがその女のために不具にされたと同じ事になる。けれども人間には生まれついて、結婚のできない不具もあるし。そのほかいろいろ結婚のしにくい事情を持っている者がある」
「そんなに結婚を妨げる事情が世の中にたくさんあるでしょうか」
先生は煙の間から、じっと三四郎を見ていた。
「ハムレットは結婚したくなかったんだろう。ハムレットは一人しかいないかもしれないが、あれに似た人はたくさんいる」
「たとえばどんな人です」
「たとえば」と言って、先生は黙った。