Classici giapponesi con furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Leggi 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.990 caratteri · 58 schermate
「厳しいお取締りですな、もっと徹底的な」
魚問屋が憂わしげに首を振る、
「やつらの中には自分で魚を釣って来て食べるのがいます、これでは二十日に一度という御禁令も無になり、御禁令によって成り立ってゆく私どもの商売もやってまいれません、どうかぜひとも厳重なお取締りを願います」
この真摯な懇談の席からちょっと失礼しよう。向こうでは下役人たちが盛大に飲んでいる、飲んで食ってまた飲みながら、互いに口角泡を飛ばして世の頽廃を怒り、人心の堕落と無恥を叱している、「要するに彼らは猿だ、犬だ、豚だ」などとわめく。また片方では「おーいお杉はいないか」「お杉はどこへいった」などと景気をあげている、なかには当時はやった林不棹先生の著書でも読んでいるのだろう、
「われらの姫、まどんな、のうとるだあむよいずこへいった」
と、亜剌比亜語などひけらかす者もいる。当のお杉はというと、――これは離れた小部屋でなに猫とかいうやつ、……え、山猫は郵便局のサボで、海猫は鴎でと、そうそうしんねこをきめこんでいる、相手は誰だろう、これがふしぎなことに人間ではない、高さ三尺ばかりの木彫彩色をした若衆人形である。