Classici giapponesi con furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Leggi 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.990 caratteri · 58 schermate
四
人形としんねこ? ――いかにもお杉の姐さんは酒肴の膳を前に、躯をくの字にして人形に寄り添って、しきりにながしめを送りながら口説いている。
「ねえなんとかおっしゃいましな、若旦那、女のあたしにこんなことまで云わせて、可哀そうだぐらい思ってくだすってもいいでしょう」
四
「なにもあなたのお嫁さんにしてくれなんて云やあしませんわ」
お杉のまどんなはこう続ける、
「あたし結婚なんてもの軽蔑していますの、妻なんて名からして侮辱ですもの、だって刺身のつまという意味と同じことですからね、それよりあたし堕村胎次郎先生のお説の賛成者ですわ、好きになってなにしたくなったらどこで誰となにしたっていい、それが人間性の解放だって、ずいぶんお新しい立派な理論じゃありませんか、このお説が出た以上はもうけものみたいだとか婬奔だなんて云われる心配はありませんわねえ、若旦那、あたしたちも堕村式でいきましょうよう」
木像はなんとも答えない。お杉の姐さんはもうぼっとしてしまって、木像の躯へ手をまわし、抱きしめるといっしょに顔を重ねた。――どうもうす気味の悪いことに相成った、姐さんは堕村理論に傾倒するの余り気が狂ったのだろうか、それともなにかに化かされでもしたのだろうか、ともかく気味が悪いから、ちょっと失礼して元の部屋をのぞいてみよう。