Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Leggi 不在地主 (ふざいじぬし) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.990 caratteri · 141 schermate

Aozora Bunko

」

由三はやりたかった。然し今迄一度だって「ドンドン」を買って貰ったことがなかった。――由三はだまっていた。

「無えのか?」

「由どこの姉、こんだ札幌さ行ぐってな。」

一人が軒下から、雨の降っている道へ向けて、前を腹迄位まくって小便をしていた。

「誰云った?」

「誰でもよ。んで、白首になるッてな!」

「んか、白首にか!」

「白首か! そうか!」――皆はやし立てた。

由三はそれが何のことかハッキリ分らなかった。分らないが、いきなりヒネられでもした後のように、顔中がカッと逆上せてきた。

「夕焼け小焼けに日が暮れて……」――女の子が三、四人声を張り上げて歌っているのが、遠くに聞えていた。

由三は急にワッと泣き出した。

「泣くな、え、このメソ!」

グイと押されて、ランプの台を落してしまった。少し残っていた石油が、雨に濡れた地面にチリチリと紫色の波紋をつくって広がった。――皆は気をのまれて、だまった。

「あーあ、俺でもないや、俺でもないや。」――少し後ずさりして云い出した。

「俺でもないや。」

「うえ、お前えだど。――お前えでないか!」

「俺でもないや。」

「俺でもないや、あーあ。