Classici giapponesi con furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Leggi 不在地主 (ふざいじぬし) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.990 caratteri · 141 schermate
塗ったあとが、そのままムラになって残っていた。
飯はお恵が坐って給仕した。すると、由三が口を突がらした。
「兵隊さんに女なんて駄目だねえ。――俺やるから、姉どけよ!」
兵隊は苦笑してしまった。
母親は又昨夜のように、御馳走のないことをクドクド繰りかえした。
昼過ぎから土砂降りになった。六時頃、兵隊は身体中を泥だらけにして帰ってきた。――ものも云えず、一寸つまずいただけで、そのまま他愛なくつんのめる程疲れ切っていた。――母親はそれを見ると、半分もう泣いていた。兵隊にとられるかも知れない健のことが直ぐ考えられた。
その晩は最後であり、それにゆっくり出来ると云うので、健は母親に云いつかって、裏で雌鶏を一羽つぶした。※からは、「兵隊さんに出すのだから」と云って、ようやく酒を一升借りて来た。
酔ってくると、兵隊は色々「兵営」の面白いことを話してきかせた。由三は「眠くねえわ、眠くねえわ。」と眼をこすりながら、何時迄も起きていた。
「坊、大きくなったら兵隊になるか。――ハハハハハハ。」
「僕も百姓ですよ。」と一人が云った。「僕の従弟が内地の連隊にいたとき、自分の村で小作争議が起り、それがドエライことになってしまった事があるんです。