Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふしぎなしま

不思議な島

芥川 竜之介

Leggi 不思議な島 (ふしぎなしま) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6348 caratteri · 13 schermate

Aozora Bunko

」

僕「何です、そのバッブラッブ何とか云うのは?」

老人「バッブラッブベエダです。BABRABBADAと綴りますがね。まだあなたは見ないのですか? あの伽藍の中にある……」

僕「ああ、あの豚の頭をした、大きい蜥蜴の偶像ですか?」

老人「あれは蜥蜴ではありません。天地を主宰するカメレオンですよ。きょうもあの偶像の前に大勢お時儀をしていたでしょう。ああ云う連中は野菜の売れる祈祷の言葉を唱えているのです。何しろ最近の新聞によると、紐育あたりのデパアトメント・ストアアはことごとくあのカメレオンの神託の下るのを待った後、シイズンの支度にかかるそうですからね。もう世界の信仰はエホバでもなければ、アラアでもない。カメレオンに帰したとも云われるくらいです。」

僕「あの伽藍の祭壇の前にも野菜が沢山積んでありましたが、……」

老人「あれはみんな牲ですよ。サッサンラップ島のカメレオンには去年売れた野菜を牲にするのですよ。」

僕「しかしまだ日本には……」

老人「おや、誰か呼んでいますよ。」

僕は耳を澄まして見た。なるほど僕を呼んでいるらしい。しかもこの頃蓄膿症のために鼻のつまった甥の声である。