Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate

Aozora Bunko

稲川先生が片岡先生とは師範学校の同級生だというので、一おうしらべられたのだが、なんの関係もないことがわかったというのである。つまり、証拠になるものが出てこなかったのだ。そのさがしている証拠品というのは、稲川先生が受けもっている六年生の文集『草の実』だというのである。それが、片岡先生の自宅にも、学校の机にもなかったのだ。

「あら、『草の実』なら見たことあるわ、わたし。でも、どうしてあれが、あかの証拠」

大石先生はふしぎに思ってきいたのだったが、教頭は笑って、

「だから、正直者が馬鹿みるんですよ。そんなこと警察に聞かれたら、大石先生だってあかにせられるよ」

「あら、へんなの。だってわたし、『草の実』の中の綴方を、感心して、うちの組に読んで聞かしたりしたわ。『麦刈り』だの、『醤油屋の煙突』なんていうの、うまかった」

「あぶない、あぶない。あんたそれ(『草の実』)稲川くんにもらったの」

「ちがう。学校あておくってきたのを見たのよ」

教頭はきゅうにあわてた声で、

「それ、今どこにある?」

「わたしの教室に」

「とってきてください」

謄写版の『草の実』は、すぐ火鉢にくべられた。