Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いせのまき
伊勢之巻
泉 鏡花
Leggi 伊勢之巻 (いせのまき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.617 caratteri · 35 schermate
十一
「はい。」
「お迎に参りました。」
駭然として、
「私を。」
「内方でおっしゃいます。」
「お召ものの飾から、光の射すお方を見たら、お連れ申して参りますように、お使でございます。」と交る交るいって、向合って、いたいたけに袖をひたりと立つと、真中に両方から舁き据えたのは、その面銀のごとく、四方あたかも漆のごとき、一面の将棋盤。
白き牡丹の大輪なるに、二ツ胡蝶の狂うよう、ちらちらと捧げて行く。
今はたとい足許が水になって、神路山の松ながら人肌を通す流に変じて、胸の中に舟を纜う、烏帽子直垂をつけた船頭なりとも、乗れとなら乗る気になった。立花は怯めず、臆せず、驚破といわば、手釦、襟飾を隠して、あらゆるものを見ないでおこうと、胸を据えて、静に女童に従うと、空はらはらと星になったは、雲の切れたのではない。霧の晴れたのではない、渠が飾れる宝玉の一叢の樹立の中へ、倒に同一光を敷くのであった。
ここに枝折戸。
戸は内へ、左右から、あらかじめ待設けた二人の腰元の手に開かれた、垣は低く、女どもの高髷は、一対に、地ずれの松の枝より高い。
十一
「どうぞこれへ。」
椅子を差置かれた池の汀の四阿は、瑪瑙の柱、水晶の廂であろう、ひたと席に着く、四辺は昼よりも明かった。