Classici giapponesi con furigana
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しゅんかん
俊寛
菊池 寛
Leggi 俊寛 (しゅんかん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.455 caratteri · 35 schermate
俊寛は、その捜索に残っていた精力を使いつくして、崩れるように地上へ横たわると、再び昏々として眠りはじめた。
二度目に目が覚めたとき、それは朝だった。疲れ萎びている俊寛の頬にも、朝の微風が快かった。彼が目を開くと、自分の身体の上に茂り重っている蒼々たる榕樹の梢を洩れたすがすがしい朝の日光が、美しい幾条の縞となって、自分の身体に注いているのを見た。さすがに、しばらくの間は、清らかな気持がした。が、すぐ二、三日来の出来事が、悪夢のように帰ってき、そして激しい渇きを感じたので、彼はよろよろと立ち上った。それでも、縹渺と無辺際に広がっている海を、未練にももう一度見直さずにはいられなかった。が、群青色にはろばろと続いている太平洋の上には、信天翁の一群が、飛び交うているほかは、何物も見えない。成経や康頼を乗せた船が、今まで視野の中に止っているはずはなかった。
彼が再び地上に身を投げたとき、身を焼くような渇きと餓えとが、激しく身に迫ってきた。
彼は、赦免の船が来て以来、何も食っていないのだった。基康はさすがに彼をあわれがって、船の中で炊いだ飯を持って来てくれたのであるが、瞋恚の火に心を焦していた俊寛は、その久しぶりの珍味にも目もくれないで、水夫の手から、それを地上に叩き落とした。