Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゅんかん

俊寛

菊池 寛

Leggi 俊寛 (しゅんかん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.455 caratteri · 35 schermate

Aozora Bunko

四

子供の成長とともに、俊寛の幸福は限りもなく大きくなっていった。鬼界ヶ島に流されたことが、自分の不運であったか幸福であったか分からない、とまで考えるようになっていた。

四

有王が、故主の俊寛を尋ねて、都からはるばると九国に下り、そこの便船を求めて、硫黄商人の船に乗り、鬼界ヶ島へ来たのは、文治二年の如月半ばのことだった。

寿永四年に、平家の一門はことごとく西海の藻屑となり、今は源家の世となっているのであるから、俊寛に対する重科も自然消え果てて、赦免の使者が朝廷から到来すべきはずであったが、世は平家の余類追討に急がわしく、その上、俊寛は過ぐる治承三年に、鬼界ヶ島にて絶え果てたという風聞さえ伝わっていたから、俊寛のことなどは、何人の念頭にもなかった。

ただ、故主を慕う有王だけは、俊寛の最期を見届けたく、千里の旅路に、憂き艱難を重ねて、鬼界ヶ島へ下ったのである。

島へ上陸した有王は、三日の間、島中を探し回った。が、それらしい人には絶えて会わなかった。島人には、言葉不通のため、ききあわすべき、よすがもなかった。そのうちに、便乗してきた商人船の出帆の日が迫った。