Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちゅうとう

偸盗

芥川 竜之介

Leggi 偸盗 (ちゅうとう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.934 caratteri · 97 schermate

Aozora Bunko

」

沙金は、目を細くして笑いながら、無邪気らしく、首をふった。

「あいつのばかと言ったら、ないのよ。わたしの言う事なら、なんでも、犬のようにきくじゃないの。おかげで、何もかも、すっかりわかってしまった。」

「何がさ。」

「何がって、藤判官の屋敷の様子がよ。そりゃひとかたならないおしゃべりなんでしょう。さっきなんぞは、このごろ、あすこで買った馬の話まで、話して聞かしたわ。――そうそう、あの馬は太郎さんに頼んで盗ませようかしら。陸奥出の三才駒だっていうから、まんざらでもないわね。」

「そうだ。兄きなら、なんでもお前の御意次第だから。」

「いやだわ。やきもちをやかれるのは、わたし大きらい。それも、太郎さんなんぞ、――そりゃはじめは、わたしのほうでも、少しはどうとか思ったけれど、今じゃもうなんでもないわ。」

「そのうちに、わたしの事もそう言う時が来やしないか。」

「それは、どうだかわかりゃしない。」

沙金は、またかん高い声で、笑った。

「おこったの? じゃ、来ないって言いましょうか。」

「内心女夜叉さね。お前は。」

次郎は、顔をしかめながら、足もとの石を拾って、向こうへ投げた。