Classici giapponesi con furigana
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ひかりのなかに
光の中に
金 史良
Leggi 光の中に (ひかりのなかに) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.411 caratteri · 49 schermate
「あ」と彼女はさすがに驚いて声を呑んだ。彼女は全く沈没したように呻いた。「……でもあの人、妾を自由な身にしてくれました。……そして妾、朝鮮の女です……」しまいはもう咽び声になっていた。
彼女は今もやはりこういう奴隷のような感謝の念をたよりにして生きているのだろうか、私は無道な半兵衛のことを思い出してたとえようもない愁然とした気持になった。いつか洲崎の朝鮮料理屋をおどかして連れて帰ったというのは丁度この女である筈だった。卑怯で残忍な半兵衛にしてみれば、この寄るべない朝鮮の女にいかにも目を附けて貰い受けそうな話ではないか。彼女は始めから彼のいけにえとして択ばれたのに過ぎない。あの怖ろしい薄莫迦の半兵衛に比べればこれは又何といういたいたしい婦であろう。私には彼女等夫婦の日常の生活さえ想像することが出来そうに思えた。彼女は毎日いじめられるのであろう。すってんてんに転びながら合掌して拝むのに違いない。そういう所から春雄のような異質的な子供も出来た筈であった。妾は朝鮮人でありますと彼女はいかにも悲しく云っていた。彼女の方では又もしかすれば自分が内地人と結婚していることを一種の誇りと思って、この逆境に生きてゆくせめてもの慰めとしているのかも知れない。