Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Leggi 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.664 caratteri · 323 schermate

Aozora Bunko

「お褒めにあずかり、有難う存じます」

「しかし天下には名人も多い」

「は、さようでございます」

「決して慢心致してはならぬ」

「慢心は愚か、今後は益※(二の字点、1-2-22)、勉強致す意りにござります」

「他人との立ち合いも無用に致せ」

「心得ましてござります」

「負ければ恥、勝てば怨まれる、腕立てせぬが安全じゃ」

「仰せの通りにござります」

「松崎道場でのお前の振る舞い、家中もっぱら評判じゃ」

「恐縮の至りに存じます」

「今のところお前の方が評判もよければ同情者も多い」

「ははあさようでございますか」

「評判がよいとて油断は出来ぬ」

「いかにも油断は出来ませぬ」

「よい評判は悪くなりたがる」

「お言葉通りにござります」

「落ちた評判は取り返し悪い」

「落とさぬよう致したいもので」

「そこだ」

と弓之進は膝を打った。

「よく気が付いた。そうなくてはならぬ。ついては今後は白痴になれ」

「は?」

と云って葉之助は思わずその眼を見張ったものである。

「今後は白痴になりますよう」

弓之進は再びこう云うとじっと葉之助を見守った。

「どうだ葉之助、まだ解らぬかな?」

「お言葉は解っておりますが……」

「うむ、その意味が解らぬそうな。