Classici giapponesi con furigana
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けんきょう
剣侠
国枝 史郎
Leggi 剣侠 (けんきょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.961 caratteri · 310 schermate
あやうく反わしたが躓いて、澄江はドッと地に倒れた。
「しめた」と峯吉が切り下ろした。
パ――ッ! 倒れた姿のままで、早速の気転土を掬い、澄江は峯吉の顔へ掛けた。
「ワッ」
よろめき眼を抑え、引いたのに代って八五郎が、
「洒落臭え女郎!」と突いて来た。
ゴロリ! 逆に八五郎の方へ、寝返りを打って片手を延ばし、八五郎の足の爪先を掴み、柔術の寝業、外へ捻った。
「痛え!」
悲鳴して倒れた途端に、澄江は飛び起きフラフラと走り、
「お兄イ様ア――ッ」と悲しそうに呼んだ。
が、これがほとんど最後の、彼女の懸命の努力であった。
二間あまりも走ったが、不意に立ち止まるとブルブルと顫え、持っていた懐刀をポタリと落とし、あたかも腐木が倒れるように、澄江は地上へ俯向けに倒れた。
意識が次第に失われて行く。
その消えて行く意識の中へ、入って来る博徒達の声といえば、
「殺すのは惜しい、担いで行け」
5
澄江を担いで三人の博徒が、高萩村の方へ走り出した時、街道へ二つの人影が現われ、指差ししながら話し合った。
杉浪之助と藤作であった。
今朝笹屋で眼をさまして聞くと、親分林蔵は少し前に、一人で帰ったということであった。