Classici giapponesi con furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Leggi 南地心中 (なんちしんじゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.205 caratteri · 79 schermate
その、空に浮出したような、水に沈んだような、そして幻のような、そうかと思うと、歴然と、ああ、あれが、嬰児の時から桃太郎と一所にお馴染の城か、と思って見ていると、城のその屋根の上へ、山も見えぬのに、鵺が乗って来そうな雲が、真黒な壁で上から圧附けるばかり、鉛を熔かして、むらむらと湧懸って来たろうではないか。」
初阪は意気を込めて、杖をわきに挟んで云った。
二
七筋ばかり、工場の呼吸であろう、黒煙が、こう、風がないから、真直に立騰って、城の櫓の棟を巻いて、その蔽被った暗い雲の中で、末が乱れて、むらむらと崩立って、倒に高く淀川の空へ靡く。……
なびくに脈を打って、七筋ながら、処々、斜めに太陽の光を浴びつつ、白泡立てて渦いた、その凄かった事と云ったら。
天守の千畳敷へ打込んだ、関東勢の大砲が炎を吐いて転がる中に、淀君をはじめ、夥多の美人の、練衣、紅の袴が寸断々々に、城と一所に滅ぶる景色が、目に見える。……雲を貫く、工場の太い煙は、丈に余る黒髪が、縺れて乱れるよう、そして、倒に立ったのは、長に消えぬ人々の怨恨と見えた。
大河の両岸は、細い樹の枝に、薄紫の靄が、すらすら。