Classici giapponesi con furigana
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なんぶのはなまがり
南部の鼻曲り
久生 十蘭
Leggi 南部の鼻曲り (なんぶのはなまがり) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.683 caratteri · 25 schermate
二
「I have never been the honour of visit to the orient.」
失礼ながら支那の皇帝よ、小生はいまだ東洋を訪問するの光栄を有しませんでした、というのは、つまりは日本人はきらいですという意味なのだろうが、こうなるとおれもだまっているわけにはいかなくなった。めんどうだから細かいやりとりは略すが、おれもだんだん滅茶苦茶になって、最後に、
「いくら国籍法が属地主義でもやはり皮膚の色まで変えられないものとみえる」
と、ひどいことをいうと、ワットオの絵はたちまちピカソの絵のようなひん曲った顔になって Damn とおれに組みついてきたてえから、これはよほど向う見ずなやつにちがいない。それでおれはそいつの襟がみを掴んで突きとばしてやると、貨物艙の扉に頭をぶっつけてたわいなくのびてしまった。おい、聞いているか。聞いている。
二
なにしろ四月といえばアリューシャンの時化時だ。レヴュウなら終幕前というところで、汽船は波と風と吹雪と霧と流氷と、悪天候の総出場の中をとんぼがえしをうちながらころがって行くのである。
霧は濃厚牛乳のようにねばりつき、流氷はひっきりなしに舷側にぶちあたるので、ちょうど大鐘の中にでもいるようだ。