Classici giapponesi con furigana
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ねむのきのかげ
合歓木の蔭
山本 周五郎
Leggi 合歓木の蔭 (ねむのきのかげ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.740 caratteri · 27 schermate
叔母はつれの婦人たちと殿さまの弁慶のすぐれてよかったこと富樫をつとめた観世なにがしの美貌であったことなどを、その混雑のなかで話し興じていた。
「あなた今日はお行儀が悪かったのね」叔母は外へ出るとすぐにこう云った、「おちつかなくて脇見ばかりしておいでじゃないの、ああいう席ははじめてだろうけれど、もっとしゃんとしていなければおかしいことよ」
「お能って退屈なものだわ」奈尾はこうこたえながら、顔が赤くなるのをおさえられなかった、「あの声を聞いていると眠くなってしまうの、がまんするのに困ってしまいましたわ」
「あなたにはどこかに怖いようなところがあるのね、亡くなったお祖母さまに似たのかしら、――」叔母はこう云って疑わしげにこっちを見た、「花を見ても美しい衣装を見ても満足しないような眼だわ、あなたの眼はいつも途方もなく遠いところを見ているようなのね、……そういう気質はあぶなくってよ、気をおつけにならないと、本当にあぶないわ」
口数の多いうわ調子な、云うあとからすぐに云ったことを忘れてしまう叔母だ。奈尾は聞きながしにして、はな紙を出そうと思い、左の袂へ手を入れた、すると妙な物がさわったのでそっと出してみた。