Classici giapponesi con furigana
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めいくんただゆき
名君忠之
夢野 久作
Leggi 名君忠之 (めいくんただゆき) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.683 caratteri · 32 schermate
「ウ――ムッ。これはッ……」
ギリギリと眼を釣り上げた昌秋は左手に提げた延寿国資の大刀をガラリと畳の上に取落した。仏壇の前にドッカリと安座を掻いて、両手を前に突いた。肩で呼吸をしながら与一をかえりみた。
「……わ……われが斬ったか……与一……」
与一はその片脇にベッタリと座りながら無造作に一つうなずいた。唇を切れる程噛んだまま昌秋の顔を凝視した。
昌秋の顔が真白くなった。忽ちパッと紅くなった。そうして又見る見る真青になった。
「お祖父様……お腹を召しませ」
与一は小さな手を血だらけの馬乗袴の上に突っ張った。
「……扨はおのれッ……」
昌秋の血相が火のように一変した。坐ったまま延寿国資の大刀を引寄せて、悪鬼のように全身をわななかせた。
与一はパッと一尺ばかり辷り退いた。居合腰のまま金剛兵衛の鯉口を切った。キッパリと言い放った。
「与一の主君は……忠之様で御座りまするぞッ」
「……ナ……ナ……何とッ……」
「主君に反むく者は与一の敵……親兄弟とても……お祖父様とても許しませぬぞッ……」
「おのれッ……小賢しい文句……誰が教えたッ……」
「お父様と……お母様……そう仰言って……私の頭を撫で……亡くなられました……」