Classici giapponesi con furigana
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
Leggi 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.586 caratteri · 159 schermate
福井下手奥より出で、
福井 おや、どこへ行ったんだろう。不用心じゃないか。商売道具でも盗まれたら大変だ。
ト室の中に入りそこらを片づけている。鈴代鼻唄をうたいながら下手より出る。
福井 どうだ。心持。何ともないか。
鈴代 ええ。何ともないわ。もう直ったようだわ。今夜はみっしり稼がなくっちゃ、ねえ、兄さん。三日なまけてしまったから。
福井 うむ。でも、無理しちゃいけないよ。風邪は馬鹿にできないって言うからね。
鈴代 家にいるよりか外へ出る方が気が晴れ晴れするのよ。わたし今夜はどうしても外へ行くわ。家にいるのはいや。
福井 じゃ一所に出かけるとしよう。
鈴代 わたし夜になると燈のついた賑な処へ行きたくなって、我慢ができないのよ。
ト毛糸のシャツをぬぎ化粧にかかる。福井その後姿を眺めながら、
福井 鈴代。お前、表の武井先生というお医者様。まだ知らなかったかね。さっき事務所のお神さんと話をしていたからね、ついでにここへも来て貰うように頼んだよ。一度見てお貰いよ。
鈴代 そう。でもわたし、お医者様に見てもらう程悪いような気がしないわ。風邪ひくのは癖なのよ。
福井 あのお神さんは世話好だからね。