Classici giapponesi con furigana
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
Leggi 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.586 caratteri · 159 schermate
それのみならず弟はお冬さんとは年も一ツちがいの学校友達で、兄の出征後、町の映画館へも一緒に行ったのを近処の人は知っていたからであった。
ところがお冬さんの返答は案外であった。お冬さんは兄の嫁にもなりたくない。弟ともこの儘別れてしまいたいと言った。
「それではお冬さん。あなた。どうするおつもりなんです。」
「当分家にいます。その中東京へ働きに行こうと思っています。電車の車掌になっても月給は三百円から貰えるという話じゃありませんか。」
お冬さんの家は荒物屋をしている。先生の細君はお冬さんの両親にも話をして二、三日中にまた来ますからと、その日は要領を得ずにかえった。しかし話は双方の親達が二、三度往復したにも係らず、とうとう纏らずにしまった。
お冬さんは東京にいる叔母をたよって家を後にし、兄は戦友で闇屋をしている者の仲間に入って大阪に行き、弟は近処の娘で喫茶店に働いているものを貰って二度目の妻にした。
話はこれだけである。
話の語り手とわたくしとの間に残された問題の興味は、お冬さんが死んだと思っていた前の夫に突然その名を呼掛けられた時、喜ぶよりも驚き恐れて、何故裏口から知り人の家に逃げかくれたか。