Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Leggi 地獄風景 (じごくふうけい) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 53.774 caratteri · 108 schermate
彼が籠の中へ飛び込んだ時には、併し木島刑事の手首が、ゴンドラの縁にかかっていた。
「早く、早く、繩を」
治良右衛門の命令に、兼ねて手筈が極めてあったのか、鮎子の手に白刄がひらめいて、空中梯子の二本の繩が、プッツリ切断された。
木島氏の片手には、彼につづく十幾人の警官の重さを支える力がなかった。繩と共に彼の手首もゴンドラを離れた。
空へ垂直に伸びた繩梯子は、珠数つなぎの警官隊をのせたまま、忽ち、間をクタクタクタとくずれて行った。警官の雨。
と同時に、綱を切られた軽気球は、ブリブリとお尻をふりながら、大空高く舞い上った。
治良右衛門と鮎子とは、ゴンドラから半身をのり出して、残っていた紙テープを悉く地上に投げおろし、声を合せて万歳を叫びながら、思出深きジロ楽園の廃墟に永別を告げた。
軽気球はどこまでも昇天して行った。幾つも幾つも白い綿雲をつき抜けて、一匹の小さな魚の様になって、房と下った五色のテープがその魚のひれの様に見えて、楽しげに、楽しげに、小さく、小さく、そして、いつしかほこりの様に幽かになって、果てしれぬ青空の底へと消えて行った。