Classici giapponesi con furigana
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じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Leggi 地獄風景 (じごくふうけい) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 53.774 caratteri · 108 schermate
木島刑事
耳をすますと、ハタハタ、ハタハタ、遠ざかって行く、曲者の足音がする。
折枝はその足音が消えるのを待って、いきなりうしろへ走り出した。滅茶滅茶に走った。迷路を出ることなど、もう考えなかった。ただじっとしていられないのだ。
グルグル、グルグル廻っている内に、パッと眼界が開けて、広い場所へ出た。だが、迷路の外ではない。その中心の広場なのだ。所謂奥の院という場所だ。
真中に一脚のベンチが据えてあった。そのベンチの足元に、白と赤とのダンダラの塊が転がっていた。血にまみれた諸口ちま子の死骸であった。
簡単な白い絹服の背中にニョッキリ短剣の柄丈けが生えていた。刄の方は全部ちま子の体内へ隠れているのだ。
絹服は、鮮かな血のりの縞模様に染まって、空を掴んだ両手と、もがいた両足とが、白っぽく根元まで現われていた。
ちま子は無論全く絶命していた。
木島刑事
いくら難解な迷路でも、歩き廻っている内には、いつか出口が見つかるものだ。大野雷蔵と人見折枝が、間もなく殺人迷路を抜け出して、園内の事件を一同に告げ知らせたことは申すまでもない。
浮世の外の楽園とは云え、殺人事件をそのままうっちゃって置く訳には行かぬ。