Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Leggi 地獄風景 (じごくふうけい) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 53.774 caratteri · 108 schermate
大柄な麗子は、血の池の赤インキに染まって、紅酸漿の様に血みどろの身体を、ヨタヨタと岸に這い上がろうとしては、又しても譲次の足蹴にあって、ドブリドブリと、血けむりを立てて、尻餅をついた。
「しつこいのね。もういやよ。もうよしましょうよ」
麗子は、池の赤インキをガブガブ飲んで、息も絶え絶えに、残虐遊戯の中止を申出でた。
だが、譲次の方は、いつもの様に、疲れ切った恋人を抱き起して、愛撫する気配も見えなかった。
彼は池の岸に仁王立ちになって、短剣をふりかざし、這い上がる麗子を、ただ一突きと身構えていた。遊戯ではない。やっぱり本気なのだ。顔にも身体にも殺気がみなぎっている。では彼がちま子の下手人であったのか。それを口外されまい為に、恋人を殺そうとしているのか。
「アレエ、助けてエ」
麗子は、本当に悲鳴を上げた。ヌルヌル辷る池の縁を、不格好な四ん這いになって、逃げ出そうとあせった。だが忽ち譲次の左手が、彼女の髪の毛を掴んで、引戻した。
「アレエ、勘忍して。誰にも云わない。あんたが下手人だなんて、決して云わない。勘忍して。勘忍して」
麗子は、ガタガタ震えながら、死にもの狂いに叫んだ。