Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じごくふうけい

地獄風景

江戸川 乱歩

Leggi 地獄風景 (じごくふうけい) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 53.774 caratteri · 108 schermate

Aozora Bunko

食後麗子がただ一人で遊園を散歩していると、三谷二郎少年につかまった。

「麗子さんどうしたの? 何だか変だねえ。湯本さんと喧嘩したの?」

薄気味悪く敏感な少年であった。

「エエ、喧嘩したのよ。二郎さん、さあここへいらっしゃい」

麗子は何気なく云って、灌木のしげみの前の捨石に腰かけて、少年を膝の上に招いた。可憐なる美少年は、いつも大人の膝に乗りなれていたからだ。

「喧嘩って、どうしたの? なぜ喧嘩したの?」

「何でもないのよ」

「何でもなくはないよ。湯本さんも、麗子さんも、口を利かないじゃないか。変な青い顔をしてるじゃないか。どうしたのさ」

少年は、麗子の太った膝の上で、お尻をクリクリ動かして、甘える様に云った。

「僕心配してるんだよ、麗子さんが嫌いじゃないから」

「二郎さん、ありがと」麗子は、少年を抱きしめる様にして、「何でもないのよ。……でも、ひょっとしたら」

「ひょっとしたら、どうなの」

「ひょっとしたら、あたし、殺されるかも分らないのよ」

「エッ、誰に?」

「人に云っちゃ、いやよ。大変なことになるんだから」

「ウン、云わない」

「若しあたしが死んだら、万一よ、万一殺されたら、その下手人は譲次なんだから、あんたそれをよく覚といて、あたしがそう言ったと刑事さんに告げて下さいね。