Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
自分はこの姿勢でともかくも二三歩歩き出した。不便は無論不便だが、歩けない事はない。ただ時々しずくが落ちてカンテラのじいと鳴るのが気にかかる。初さんは先へ行ってしまった。頼はカンテラ一つである。そのカンテラがじいと鳴って水のために消えそうになる。かと思うとまた明かるくなる。まあよかったと安心する時分に、またぽたりと落ちて来る。じいと鳴る。消えそうになる。非常に心細い。実は今までも、しずくは始終垂れていたんだが、灯が腰から下にあるんで、いっこう気がつかなかったんだろう。灯が耳の近くへ来て、じいと云う音が聞えるようになってから急に神経が起って来た。だから這う方はなお遅くなる。しかもまだ三足しか歩いちゃいない。ところへ突然初さんの声がした。
「やい、好い加減に出て来ねえか。何をぐずぐずしているんだ。――早くしないと日が暮れちまうよ」
暗いなかで初さんはたしかに日が暮れちまうと云った。
自分は這いながら、咽喉仏の角を尖らすほどに顎を突き出して、初さんの方を見た。すると一間ばかり向うに熊の穴見たようなものがあって、その穴から、初さんの顔が――顔らしいものが出ている。