Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
と云って、しきりに頭を下げた。すると、
「一人でやれるものかね」
と長蔵さんが云った。この時だけは御前さんを省いたようである。
「なにやれます」
と答えたら、
「どうして」
と聞き返されたんで、少し面喰ったが、
「今貴方に伺って置けば、先へ行って貴方の名前を云って、どうかしますから」
ともじもじ述べ立てると、
「御前さん、私の名前くらいで、すぐ坑夫になれると思ってるのは大間違いだよ。坑夫なんて、そんなに容易になれるもんじゃないよ」
と跳つけられちまった。仕方がないから
「でも御気の毒ですから」
と言訳かたがた挨拶をすると、
「なに遠慮しないでもいい、先方まで送ってあげるから心配しないがいい。――袖摩り合うも何とかの因縁だ。ハハハハハ」
と笑った。そこで自分は最後に、
「どうも済みません」
と礼を述べて置いた。
それから二人でベンチへ隣り合せに腰を掛けていると、だんだん停車場へ人が寄ってくる。大抵は田舎者である。中には長蔵さんのような袢天兼どてらを着た上に、天秤棒さえ荷いだのがある。そうかと思うと光沢のある前掛を締めて、中折帽を妙に凹ました江戸ッ子流の商人もある。その他の何やらかやらでベンチの四方が足音と人声でざわついて来た時に、切符口の戸がかたりと開いた。