Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
「あれ、楽屋へ逃げ込んでしまったぞ」
「どうしたわけなんだ」
「やあい、黒、どうしたんだ」
「黒!」
「黒ん坊!」
「早く出ろ! 黒やあい」
見物は、ようやく沸き立ってきました。
「東西」
口上言いが、沸き立つ見物の前へ出て来て、
「ただいま、印度人が急病さし起りまして、暫らく楽屋に休憩とございます、なにぶん熱国より気候の違った日本の土地に初めて参りましたこと故……」
「あはははは」
口上の申しわけ半ばに道庵が笑う。口上は腰を折られて変な目をして道庵を見たが、また申しわけをつづけて、
「食当り水当りのために頭痛眩暈を致し、なにぶん芸当相勤め兼ねまするにより……」
「その病気なら俺が癒してやる」
またしても道庵の差出口。
「当人病気休息の間、代って手品水芸の一席を御覧に入れまあする」
「馬鹿野郎」
見物が承知しませんでした。
「手品なんぞは見たくねえ、早く黒を出せやい、黒ん坊を出せ」
「新宿の八丁目から、わざわざ黒ん坊を見に来たんだい」
半畳が飛ぶ。
自分の楽屋へ逃げて来た印度人、楽屋にはお玉のお君が胡弓を合わせていました。
「どうしたの、友さん」
「駄目だ、駄目だ」
ここへ来ると印度人は楽な日本語です。