Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
ているが、困ったものじゃ」
「うむ」
「もし貴殿の眼でも見えたなら、こういう時には、その曲者の眼に物見せてやろうものを、あたら英雄も目無鳥では悲しいことじゃのう」
「目が見えたら辻斬をして歩く方へ廻るかも知れぬ」
「ははは、そうありそうなことじゃ」
神尾主膳はなにげなく笑いましたが、この時はじめて気のついたように、
「竜之助殿、あの長持の中の物、あれを貴殿にお任せ申そう、安綱の切れ味、ことによったら、あれで試して御覧あれ」
「よろしい」
主膳は別に長持へ近く寄ってそれを改めてみようともしませんでした。竜之助もまた長持から怪しい者が出て来て、自分の膝へ縋りついたということを語るでもありませんでした。その長持から出た怪しの者も、この時ははやジタバタするではありません。
こうして神尾主膳はこの古屋敷を出て行きました。甲府から半里、駕籠にも乗物にも乗らずに来て、玄関には草履取と提灯持兼帯の男が一人待っているばかりでした。
躑躅ヶ崎の古城は武田家の居城のあったところ。三面には岡があるけれど、城は平城、門の跡や、廓のあと、富士見御殿のあった台の下には大きな石がある。そのあたりは松の木や荊が生い茂っている。