Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
と言って、米友は眠い目をって鳥居の方から外を見ました。
「誰だい、誰か来たのかい」
と咎立てをしたけれど、外は闇でよくわかりません。燈籠の火影の届くところには何者も見えませんでしたけれど、感心なことに宇治山田の米友は、居眠りをしても、その足音を聞き洩らすような油断がありません。
「まさか、でえだらぼっちじゃあるめえな」
と言って座右を顧みた時に、そこに六尺の手槍がありました。
「兄い、なかなか寒いじゃねえか」
気軽に茶所へ入って来たのは、でえだらぼっちでもなければ、八幡様の廻し者でもないようです。竹の笠を被って紺看板を着て、中身一尺七八寸ぐらいの脇差を一本差して、貧之徳利を一つ提げたお仲間体の男でありました。
「うむ、寒い」
米友は案外な面をして仲間体の男を見ますと、その仲間体の男は、心安立てにズカズカと火の傍へ寄って来て、
「兄い、済まねえがお茶を一杯振舞ってくんねえ」
と言いました。
「いくらでも飲みねえ」
仲間体の男は貧之徳利を土間へ置いて、大土瓶から熱いお茶を注いで飲みました。お茶を飲むところを笠の下から見ると、この仲間体の男は、折助にしては惜しいほどの人柄に見えました。