Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
物の響といううちに、やっぱりそれは活ける物のなせる声でありましたけれど、前のとは違って人の腸にピリピリと徹えるような勇敢にして凄烈なる叫びでありました。
「や、あの声は?」
「狼ではないか」
「熊ではあるまいか」
少年たちはまたも足をとどめたが、その吠え落す声をじっと聞きとめて、
「やっぱり、犬のようじゃ」
いま吠え出したそれはまさに犬の声であります。犬の声ではありましたけれども、尋常の犬の声とは思われません。
それはさておいて、このおっそろしい闇と靄の晩にも泰平無事なのは、甲府のお牢屋の番人の老爺であります。
小使の老爺は貰いがたくさんあります。牢の中にいても金を持っている奴は、小使に頼んでいろいろの物を買ってもらうことができる。最初に持っていた金は役人のところへ取り上げられて、必要に応じて少しずつ下げ渡される制度であったが、その少しずつ下げ渡された金で、小使の老爺に頼んで、内々でいろいろの物を買い調えるのであります。
生姜や日光蕃椒を買ってもらうものもあります。紙の将棋盤と駒を買ってもらって勝負を楽しむものもあります。武鑑を買ってもらって読むものもありました。