Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
「危ねえ、危ねえ」
と言いましたから、お銀様も気がつくとその折助は酔っていて、足許も定まらないようであります。お銀様は驚いてそれを避けました。それを避けるとその次に、また一人の折助が通りかかって、同じようにお銀様に突き当ろうとしました。お銀様は、また驚いてそれを避けると、第三番目の折助が、とうとうお銀様にぶっつかってしまいました。お銀様は危なく足を踏み締めますと、
「やい、気をつけやがれ」
とその折助が言いました。わざとする乱暴さに、お銀様は口惜しがって折助どもを睨めて立っていました。お銀様の眼つきは、ことさらに睨めないでも、いつも怒気を含んでいるように見えるのであります。
「へへへへへ、これはこれは」
と言って折助は急に、ふざけた声色を使って、頭巾で隠してあるお銀様の顔をワザと覗き込むようにして、
「お女中のお方でいらっしゃる、それとは知らず飛んだ御無礼」
なんぞと言って、またまたワザとらしい声色と身ぶりでお辞儀をしました。
お銀様は、それを見ないでぷいと向き直って歩き出すと、
「兄弟、どうしたんだい」
と言ってほかの折助が寄って来ました。
「いや、このお女中に飛んだ失礼をしてしまったんだ、ツイ足がよろめいたために、このお女中に突き当ってしまったから、今、謝罪っているところなんだ、兄弟、なんとかとりなしてくんねえ」