Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
しかしながら相手は決して出て来ませんでした。自然、米友は力抜けがしました。
「どうもおかしな奴だな、今、ああして俺らが後ろへ飛んだ時に、手前がもう一太刀追っかけて来ると、実は俺らも危なかったんだ。ナニ、身体を斬られるまでのことはねえが、槍は二つに斬られていたかも知れねえのだ。俺らにとっちゃあ身体を斬られるより、槍を斬られるのが恥かしいくれえのものなんだ。それを手前が追っかけずにいるのが気が知れねえよ。いったい、俺らの腕を試すつもりで斬りかけたのか、またホンとに俺らを斬るつもりで斬りかけたのか、そこんところがどうも解せねえやい、何とか挨拶をしろやい」
米友はこう言いながら、槍を左の手に持ち直して身を屈ませました。もう先方が確かに斬ってかかる気遣いがないから、それで形をすっかり崩してしまって、そうして右の手を伸べて往来の地面を掻きさがしました。ちょうど手頃の石があったのを拾い取って、腰をのばしました。
「それ!」
ヒューと風を切ってその礫が米友の手から暗夜の宙に飛びました。投げたものを受け留めることを商売にしていた米友は、また同時に投げることも巧みでありました。