Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate

Aozora Bunko

ムクの後ろの方からお君は、雪洞を遠くさし出して塀の外を見やりました。塀の外も、やっぱり例の闇と靄とでありましたから、雪洞の光もさっぱり届き兼ねて、そこに何者が来ているかということがお君にはわかりません。

「今晩は」

いまあけた木戸口の前に立っているものがあります。

「どなた」

お君は二度問いかけました。ムク犬は鼻を鳴らして、何者とも知れない外の者に向って、入れ入れと促しているように見られます。

「今晩は」

外に立っているものは、入っていいのだか悪いのだか計り兼ねて、遠慮をしているような塩梅でありました。

「どなたでございます」

お君は三たびこう言って外なる人に問いかけました。合点のゆくほどの返答を聞かないうちには、入れということを言わないのであります。

「今晩は。どうも遅くなって済まねえが、入ってもようござんすかい」

と言って、外なる人が駄目を押しました。

「いったい、あなたはどこのお方で、このお邸へこんなに遅く、何の御用があって来たのでございます」

「俺らはこの犬に引張られて来たんだ。もしこのお邸に、君ちゃんという女の子がいやしねえかな。俺らは米友というものだよ」