Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
左の手には例の梨子地の鞘の長い刀を持っていました。
「そんなにしていただいては、恐れ多いことでございます」
お銀様が遠慮をするのを、主膳は用捨なくグイグイと引張ります。お銀様はしょうことなしにその梯子段を引き上げられて行くのであります。
引き上げられて行くうちに、爛酔した神尾主膳が、その酔眼をじっと据えて自分の面を見下ろしているのとぶっつかって、お銀様はゾッと怖ろしくなりました。
お銀様はこの時まで、まだ神尾について何事も知りません。知っていることは、その仲媒口によっての誇張された神尾家の噂のみでありました。何千石かの旗本の家であったということと、まだ若いということと、多少は放蕩をしたけれど放蕩をしたおかげで、人間が解りがよくて物事に柔らかであるというようなことのみ聞かされていました。そうして父の許へしばしば訪れて来た主膳の面影は、ほぼそれに相当すると思っていました。
前の晩には思わぬところでその人に逢って、この屋敷へ送られて来ました。主膳があの際に何の必要であの辺を通り合せたかということに疑念がないではなかったけれど、自分を労わってこの屋敷まで送って来て、そのうち相談相手になると言って今日までここに待たしておいたもてなしは、親切であり行届いたものでありましたから、お銀様はすくなからず神尾の殿様を信頼して