Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
「はははは」
神尾主膳は敷居の外に立って高らかに笑いました。その手には、やはり伯耆の安綱を提げていましたけれど、その足は廊下に立って、その面はこっちを向いたままで一歩も中へは入って来ませんでした。
「助けて下さい」
お銀様は、竜之助の蔭に隠れました。蔭に隠れたけれども、しっかりと竜之助に抱きついているのでありました。もしも神尾に斬られるならばこの人と一緒に……お銀様は、どうしても自分一人だけ神尾に斬られるのでは、死んでも死にきれないと、ただそれだけが一念でありましょう。
「どうするつもりじゃ」
それは竜之助の声でありました。例によって冷たい声でありました。どうするつもりじゃ、と言ったのは、それは刀を提げて立っている神尾主膳に尋ねたのか、それとも自分にかじりついているお銀様の挙動をたしなめたのか、どちらかわからない言いぶりでありました。聞き様によっては、どちらにも聞き取れる言いぶりでありました。
「ははははは」
酒乱の神尾主膳は、またも声高らかに笑って、
「脅してみたのじゃ」
「悪い癖だ」
竜之助はそれより起き上ろうともしませんでした。神尾主膳もまた一歩もこの部屋の中へは足を入れないで、突っ立ったなりでニヤニヤと笑っていましたが、