Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
お銀様は縁談を持ち込まれることを、自分が侮辱されたように口惜しがります。それと共に自分に縁談を申し込んで来る男を、あくまで蔑むのでありました。自分に縁談を申し込んで来るような男は、男のなかのいちばん意気地なしで恥知らずで、あるものは慾ばかりで人格も趣味もあったものではない、男のなかの屑だと、口に出してまでそう言うことがありましたくらいであります。
今、神尾主膳のことを聞いても、まずその蔑みで頭を占領されてしまって、これから父が説き出そうとすることを、受入れる余裕はありませんでした。
お銀様は凄い面をして自分の部屋へ帰って来て、
「お君、お君、お君や」
続けざまに呼んで、自分の部屋を素通りして、お君の部屋へ駈込みました。
お気に入りのお君には、お銀様と同じような部屋が与えられてありました。このごろのお銀様は、居間から衣裳から、室内の飾り、すべてのものをお君と同じようにしなければ納まらないのであります。お銀様はこうしてお君の部屋へ駈込んだけれど、どこへ行ったかそこにお君の姿が見えません。机の上にお銀様の好きな寒椿が一輪、留守居顔にさされてあるばかりです。